内部告発者保護法の制定
欧米では内部告発者保護法を制定し、その保護にあたるとともに、内部告発の奨励も進
めている。
イギリスでは内部告発者の保護を目的とした
公益開示法が1998年に制定されている。
告発すべきは
- 犯罪行為
- 法的義務遵守違反
- 誤審
- 人の健康・安全への加害
- 環境破壊
- これらの不正の隠蔽
である。告発先を
- 雇用主への告発
- 顧問弁護士への告発
- 監督官庁への告発
- その他の外部への告発
に分け、外部への告発の場合は
- 誠意をもって行われたこと
- 正当な理由で情報が真実であると信じていること
- 個人的利益のための告発でないこと
- 正当な理由で、監督機関へ告発をすれば損害を受けると思っているか、
雇用主へ告発をすれば証拠が隠蔽・破壊されると思っていること
と、その他の場合より厳しい条件を付けている。
既に雇用主や監督官庁へ告発している場合は、もちろん最後の項を満たす必要はない。
保護を受けるためには労働裁判所に申し立てる必要がある。
認められれば、従業員は解雇やその他の損害から保護される。
米国ではこれがもっと進んでいるといえる。
内部告発者保護法の一つ、
不正請求防止法では、意図的に虚偽の請求を政府にした企業に対し、
5,000ドル以上10,000ドル以下の罰金のほか、
政府の被った損害の3倍の賠償金を払うよう求めている。
一方告発者は、政府が回収した額の15%から25%の報奨金を受け取ることができる。
我が国でも内部告発者保護制度の整備に動きだし、
平成16年6月
公益通報者保護法が成立した。
保護対象者は、民間企業の正社員、公務員のほか、退職者や取引先の労働者、
パート、アルバイト、派遣労働者など幅広く設定している。
告発内容は、医療ミスや悪質な詐欺商法、贈収賄、
食品表示基準違反、談合、大気汚染防止法などである。
告発の乱用を恐れる財界や産業界などへの配慮としては、
勤務先や行政機関への告発を優先させるという条件を設けている。
すなわち、報道機関や消費者団体など外部へ通報して保護されるのは、
証拠隠滅の恐れのある場合、
勤務先に告発した日から2週間経過しても調査を行わない場合、
社内で口止めされた場合、などの条件を満たすときだけである。
この案に対し、そもそも犯罪行為の通報者の保護に厳しい要件を付けるのがおかしい、
取引業者は保護されないので雪印食品を告発した倉庫業者は保護されない、
税法・公職選挙法・国会議員等の政治資金規正法違反等は
国民の利益の保護にかかわる法令に該当しないとして除外している、
等の
問題点が指摘されている。
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