事故の1年前、MT社のボイジョリーは別のシャトル打ち上げ後の検査で、 黒くこげた大量の油を見つけた。 これはブースターのOリングから燃焼ガスが漏れたことを示していた。 2次シールからも漏れると燃料タンクに火が付き、爆発する。
ボイジョリーは上司に報告した。 彼は上司の命令で宇宙飛行センターに行き、 打ち上げ時の気温が低かったためシール効果が低下したのではないか という彼の仮説を説明した。
NASAはMT社に詳細調査を依頼した。 次の打ち上げは4月なので問題なく、時間的余裕はある。 試験の結果、低温時の性能に問題があることが明らかとなった。 MT社の幹部はこれを企業秘密とした。 しかし4月打ち上げ後の検査でもシールの不良が確認された。
7月の打ち上げに向けての検討会において、 MT社はNASAに試験結果を発表した。 しかし問題解決のための対策はとられなかった。 ボイジョリーは日誌をつけ始めた。
ボイジョリーは、問題に対処しなければシャトルは爆発するという 自分の意見をメモにし、まず上司に見せた。 上司のサインをもらった後、メモはMT社技術担当副社長ルンドに渡された。 メモには社外秘の印が押された。同時に、対策チームが結成された。 しかしチームへの会社の支援はほとんどなかった。 どういう場合にシールが作動不良となるのか、定量的な答えは出なかった。
チャレンジャー打ち上げ前日、チームは−8℃という天気予報におどろいた。 ボイジョリーは危険性を強く認識し、ルンド副社長に会い、打ち上げ延期を進言した。 副社長はこれを受け入れ、MT社とNASAを結ぶテレビ会議が開かれた。 ボイジョリーは自らの考えを述べ、 12℃以下では打ち上げるべきでないと締めくくった。
NASAはMT社ブースター担当副社長キルミンスターに意見を求めた。 彼は中止をせざるを得ないと述べた。 NASAのムロイはNASAのハーディに意見を聞いた。 ハーディは不快感を示しながら、MT社が反対するなら打ち上げないと述べた。 そのあと、ムロイはMT社のデータについて長々と自らの分析結果を述べ、 データは打ち上げを中止するほどの決定的なものではないと主張した。
キルミンスターはMT社内で話し合うといって通信をいったん切った。 MT社上級副社長メイソンは怒りをあらわにしながら、 「打ち上げたいと思っているのは俺だけか」と怒鳴った。 ルンドには「技術者の帽子を脱いで経営者の帽子をかぶれ」と命じた。 通信は再開され、キルミンスターはNASAに打ち上げ準備続行を勧告した。 そして・・・・。
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