反対意見への制定委員会の反論
以下は、
日本原子力学会倫理規程制定に際して、
学会員から寄せられた意見への制定委員会の反論を編集したものである。
−倫理の議論は学術団体にはそぐわないか?−
- 学会が社会に発信することを目指すなら、
会員の倫理観を示すのは当然の義務である。
- 技術問題と倫理問題は車の両輪であり、
倫理を問うと技術問題の検討がおろそかになることなどありえない。
- 規程に盛り込んだ内容は誰しも合意できるものと考えている。
そうでないと言うなら、どこが問題かを具体的に示していただきたい。
倫理に反する自由な発想は規制されるべきである。
−倫理規程は誰しもが容易に合意できる項目に絞り、簡潔に表現すべきか?−
- 都合よく解釈できる倫理規程は
(この例からも分かるように)無意味である。
- 倫理規程は丸暗記するものではなく、
会員が倫理問題で迷ったときの手引である。
- 倫理規程は外部を意識したものではなく、
あくまで自主的な宣言である。
−倫理規程は実際の状況で会員が悩まなくて済むような明確なものとすべきか?−
- 倫理問題に直面したとき、よりよい対処手段を求めて悩むことこそが
倫理的態度である。
倫理問題については、万能な対処法−アルゴリズムなどありえない。
-
法律
が期待すること以上のものを目指すのが、倫理的態度である。
したがって倫理的態度を貫くには、当然勇気が必要である。
- すべての法律が正しいものであるなら、
倫理的に正しい態度が法律違反になる可能性はない。
もし不幸にして正しくない法律があるなら、それを破ってでも倫理的態度を
貫くべきである。
- 倫理的態度と教条主義は相容れないものである。
倫理規程を教条的に守ることも倫理的とはいえない。
−できる限り完璧な規程を、慎重な手続きで制定すべきか?−
- 処罰がないなら倫理規程など守らないというのは、最も非倫理的態度である。
倫理規程違反の最大の罰則は良心の呵責である。
- 技術者倫理についての認識を高めることも規程の目的で、
全員一致の承認は望ましいものであっても絶対条件ではない。
会員が大筋で承認し、民主的手続きで定めるなら、手続きとして正当である。
- 倫理規程を改訂し続ける努力こそが会員全員の意識の向上につながる。
- 倫理は「一応のもの」
であって完璧な倫理規程などありえない。
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