モラルの発達過程
以下の説明は、「環境と科学技術者の倫理」、P. A.Vesilind、A. S. Gunn著、
(社)日本技術士会環境部会訳編、丸善 の2.2節をまとめたものである。
参考文献等については上記文献を参照されたい。
人間のモラルは
次のように発達するといわれる。
| 第1段階 | 慣習以前 | 服従 |
罰の回避行動 |
| 第2段階 | 取引 | 見返り期待行動 |
| 第3段階 | 慣習に同調 | 協力尊重行動 |
信頼関係の重要性認識 |
| 第4段階 | 秩序尊重行動 | 法の尊重 |
| 第5段階 | 脱慣習・原理指向 | 法の善悪認識 |
法制定手続きの重要性認識 |
| 第6段階 | 普遍原理獲得 | 普遍原理=人の尊厳、平等、・・ |
第一段階は服従で、小さな子供は善悪をよく理解できないまま、
罰を避けるため世話をしている人の命令に従う。
第二段階は取引の理解で、他人がしてもらいたいことをすると
自分もしてもらえるかもしれないことに気付く。
第三段階は協力の大切さの理解で、単なる一対一の取引だけでなく友人との
信頼関係が生まれる。
第四段階は法と秩序の大切さの理解で、
モラル上の意思決定は法に従うという形で行う。
ここで、友人関係の社会全体への拡張が行われる。
第五段階では法律にも悪い法と良い法があることを認識するようになる。
例えば非民主的に定められた法は必ずしも正しくないことを理解する。
第六段階でようやく「万人の平等と尊厳」のような普遍的モラル原理の獲得に至る。
モラルの発達と書いたが、これは年齢や経験を重ねるとともに
上へ進むものとは限らない。
むしろ退化することもある。
じっくりと考える余裕があるときに「何が正しいか」考える訓練をしておくこと、
すなわち事例学習をしておくことが、モラルの発達を促す。
「モラルは社会生活の中で自然に身に付く」などというと、
楽天的な性善説論者と言われるかもしれない。
それについては
ここ
で補足します。
「法律にも悪い法と良い法がある」ことに反論が出るとは思ってもみなかったが、
そうでもないらしい。
よかったら
ここ
も読んでください。
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