行為功利主義と規則功利主義
行為功利主義
功利原理を個々の行為に適用する立場を指す。
行為功利主義では、次の問いに答えなければならない。
「この行為は、あらゆる可能な代替行為より多くの功利を生むか?」
この考え方は、数値を用いないことを除けば、費用−受益分析によく似ている。
行為功利主義は、結果的に功利が最大になればいいので、時として
「嘘をつくこと」や「物を盗むこと」や「約束を破ること」
が正当化されてしまう。
これに対して、直観に反するとの批判があり、生み出されたのが
次の規則功利主義である。
規則功利主義
功利原理を個々の行為ではなく、規則に適用する立場をいう。
規則功利主義で問われるのは次の質問である。
「もしあらゆる人が、同じ状況下では同じことをするとしたら、
功利は最大となるか?」
あるいは次の質問でも同じことである。
「どのような規則(方針)に皆が従えば功利は最大となるか?」
たとえば、「嘘をついてはならない」というのは一つの規則である。
この規則が功利原理に適っているなら、
それが適用される個々の行為はどんな場合でも常に不正になる。
すなわち、たとえある特定の嘘をつく行為が社会一般の幸福を促進するとしても、
その行為は規則に反しているから不正とする。
ただ、これでいくつもの規則を決めていくと、
結局守るべき義務が列挙されることになる。
それは功利主義というより義務論かもしれない。
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